一歩を踏み出すには慎重に /Antique Wooden Draughtsmen with Box & Board

英国アンティーク、箱入りドラフツ駒セットとおりたたみ式ボード。




ドラフツ(Draughts)とは、アメリカではチェッカー(checkers)とよばれるボードゲームの一種。

縦横8マスのチェスボードを用いるのが基本ですが、まれにそれより多かったり、少なかったりする遊び方もあるようです。ドラフツの歴史は、12世紀の南フランスでチェスの盤にバックギャモンの駒を並べてアルケルケをやったところから始まったと言われています。アルケルケは、5×5の盤に白石と黒石を12個ずつ並べ、相手の石を飛び 越すことで取れ、たくさん取った方の勝ちというスペインのゲーム。 そのスペインにはイスラム教徒がもたらしたと言われ、そのルーツは、古代エジプトの方形盤ゲームにあるとも言われています。

英国やアメリカにおいては、日本よりははるかに多くの人が愉しむというドラフツ(チェッカー)。ごく身近にあるチェスのボードとバックギャモンの駒をつかってプレイすることができるからでしょうか。

かつてドラフツ(チェッカー)の世界チャンピオンであったアメリカの故Tinsley博士は 「チェスは海のように広いが、チェッカーは 井戸のように深い。」と言って、その知的ゲーム性を最高度に評価したといいます。




さて、前段が長くなりました。

今回ご紹介するのはそのドラフツの木箱入り駒とボードのセットです。木箱に入った駒=ドラフツメンは、ラベルからおそらくチャドバレー社の品物と思われます。


チャド・バレー/CHAD VALLEYとは、かつてイングランドを代表したおもちゃメーカーのこと。もともとは19世紀にイングランド・バーミンガムにおいてAnthony Bunn Johnsonが始めた印刷事業が始まり。息子の代にハーボーン/Harborneの郊外に移転し、その場所が「チャド・バレー」と呼ばれていた地域だったことから、この名前となりました。第一次大戦前にはおもちゃ事業を始め、テディベアやTinToy(ブリキのおもちゃ)などを生産。1938年にはロイヤルワラントも手にいれています。

第二次大戦時には、おもちゃとは全く違うもの(武器ケースや病院用ベッド、その他部品など)を生産しましたが、1945年にはおもちゃ事業を再開。1960年代までには7つの工場、1000人を超える人員をもつリーディング・カンパニーに成長します。

しかし、その後の不況により1978年にはパリトイに買収され、その後、アメリカ資本系のケナー・パーカーに買収。商標名は1988年にウールワースに売却。なお、ウールワースは東アジアで生産したチャド・ヴァレーの新しいシリーズを発売しています。



今回のドラフツメンのラベルはチャド・バレーにおいて1930年代頃にみられたものですが、その当時のものは左下に「CV」マークがあり、紙箱のものが製造されていたようです。今回ご紹介するものは木箱で、ラベルに「CV」の文字が無いことから、それより以前のお品物なのではないかと推測いたします。


セットされたボードは外側が布張り。ポイントでエンボスでパターンが施されており、文字は金箔押しの美しい物です。こちらにもメーカー名は無いので、ひょっとして全然違うメーカーのものを、ちょうど良いという事で一緒に使っていただけかもしれません。なお、ドラフツにおいては使うのは黒マスのみですが、マスの数は8×8ございますので、チェスボードとしてもお使いいただけます。ただ、堂々と「DRAUGHT BOARD」と記されていることから、ドラフツに対する誇りと愛情を感じるようです。


最後に、イングランドの1895年のチェス・チャンピオン、J.H. Blackthornの名言をご紹介いたしましょう。


"Draughts is a less attractive game, infinitely less, but it is more scientific. You see, a step at draughts is irreparable. At chess, however, you can get back, change the disposition of your men, and possibly win."

「ドラフツはそれほど、いや全く格好いいものではないが、より科学的である。ご存知のとおり、ドラフトで一歩を踏み出すと取り返しがつかない。しかし、チェスでは取り返しがつき、駒の配置を変えることができ、おそらく勝つことができるだろう」



チェスのような華やかさは無くても、一歩一歩を科学的に行わなければいけないゲーム、ドラフツ.
100年近くを経てきたドラフツメンで、じっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。


こちらからも画像をご確認いただけます。


◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:駒/木 ボード/紙、布
◆サイズ:駒直径約3.1cm 厚さ約0.7cm /箱約15.4×10.4cm 厚さ約2.3cm /ボード(広げた時)30.4cm角
◆重量:184g(駒+箱)206g(ボード)
◆在庫数:1セットのみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、割れや変色等がみられます。
*ボードはチェスボードとしてもご利用いただけます。
*箱の蓋はやや外れがちです。本体と蓋の反りが原因と思われます。このままのご紹介となります。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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523-254.308

15,800円(内税)

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11月3日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


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大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

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11月16-17日(土日)
谷中骨董市

**ご来場有難うございました**


12月1日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


12月7-8日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(7日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月15日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


【ご注意】
大江戸骨董市は終了時刻が16時ですが、当店は手持出店のため、終了時刻には全て片付けている状態の完全撤収が求められています。当店は細かい物が多く時間がかかるため、2時間前には撤収を開始いたしますので、どうかご了承ください。大江戸骨董市はお早めのご来場をおすすめいたします。