子豚は丘を越えてどこまでも / Antique Cold Painted Vienna Bronze "Pigling Bland"

オーストリアアンティーク、ヴィエナブロンズのピグリン・ブランド。




ステッキを持ち、お洒落な衣装を着た小さな子豚。高さ僅か3cm強のサイズでありながら、驚くほどの緻密さをもつ芸術作品のご紹介です。


当店で何度かご紹介している「Vienna Bronze/ヴィエナブロンズ」。

その歴史は19世紀中頃から始まり、現在に至るまで高級品として高く評価されており、展示や蒐集を目的とした貴族や富裕層に向けて販売されてきました。サイズは、小さな1インチのミニチュアからテーブルランプやセンターピースと同じくらいの大きさまで様々です。モチーフは、漫画や風刺画を題材としたものや、実物そっくりにありのままの姿を詳細に表現したミニチュア化された人物や動物もあれば、エロティシズムを表現したもの、擬人化されたペットや森林動物なども多く、特に猫、カエル、犬の作品はウィーンの名物となっています。


1つのブロンズのフィギュアは、多くの場合「砂の鋳造/sand casting」と呼ばれる方法によってパーツごとに鋳造され、それらを溶接して一体化、毛並みや顔立ち等を彫刻し、髭など細部まで手を加えて、画家に引き渡されます。

その一連のプロセスには、多大な労力と高度に熟練した職人の技術が必要とされ、特にコールドペイントによる着色作業は、重要な要素となる表面仕上げとなり、全てが手作業によって、テクスチャーが与えられ、細部に至るまでシャープに整えられます。コールドペイントは、当初は鉛ベースの塗料で行われていましたが、健康上のリスクがあるため、20世紀の変わり目には、油性顔料のエナメル塗料が使われています。




今回ご紹介するのは、そのヴィエナブロンズでできた小さな子豚。モデルは「Pigling Bland/ピグリン・ブランド」です。


「The Tale of Pigling Bland/こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」ご存じでしょうか。それは1902年に発表された「ピーターラビットのおはなし」で有名な「Beatrix Potter/ビアトリクス・ポター(1866-1943)」が執筆・イラストを手がけた児童書のこと。1913年にフレデリック・ウォーン社から初版が出版されました。

あらすじを簡単にご紹介いたします。

白豚のペティトスおばさんは問題児の8頭の子豚に頭を抱え、1匹を除いて家から追い出すことにします。そのうちの2匹、ピグリン・ブランドとアレクサンダーは連れだってランカシャーの市場に向かいますが、途中でアレクサンダーはランカシャーの市に出るための許可証を無くし、警官につかまって農場に連れていかれてしまいます。

ひとり市に向かっていたピグリン・ブランドは、ある農場に迷い込んでしまいますが、そこには盗まれた女の子豚が閉じ込められていてました。なんとか脱走した2匹は、郡境まで逃げ、ついには丘を越えて遠くへ行き、そこで新たに手に入れた自由を祝って踊る・・・というストーリーです。



「ピーターラビットのおはなし」で成功したビアトリクス・ポターは農場を所有しており、そこでは豚も飼っていました。しかし1909年に友人に宛てた手紙の中で「食欲がひどく、1日5食食べても満足しなかった」豚2頭を売ったことを述べてます。彼女はこの頃からこの本の執筆に取り掛かったとされています。売ったものの、豚の行く末を気にしていたのでしょうか・・・?



さて、そんな背景で生まれたピグリン・ブランド。

今回ご紹介するブロンズはオーストリアのものですが、状態からして1920-1930年代頃のものと思われます。英国の人気作家のキャラクターを受けて、作られたのではないでしょうか。なお、工房のマークはみつけることは出来ませんでした。


そしてこの姿は、ピグリン・ブランドが旅立つときの姿。日曜日の正装をして、2本足で堂々と歩くために杖をもっています。(油断していると四つ足で歩いてしまうからでしょうか?)片手に持った包みには、ペティトスおばさんが持たせてくれたペパーミントが入っていると思われます。


ごくごく小さいながらも、持てばずしりと重いのはさすがヴィエナブロンズ。コールドペイントは少し剥がれている部分もございますが、まだシャツのストライプ柄も残っており、ピグリン・ブランドの豊かな表情も感じ取ることが出来ます。ステッキを利用した3点でしっかりと自立します。



ミニチュア好きの方に是非。もちろん豚好きな方やヴィエナブロンズをコレクションをされている方にもおすすめの逸品。

世紀を超えても世界中からいまだ愛されるポターのキャラクターを、ウィーンの芸術作品でご堪能ください。



こちらからも画像をご確認いただけます。


◆Austria(Wien)
◆推定製造年代:c.1920-30年代頃
◆素材:ブロンズ
◆サイズ:高さ約3.2cm
◆重量:18g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、塗装の剥げや歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*平滑面で自立します。少しでも傾いていると自立しません。
*お子様のおもちゃとしてはお勧めできません。
*平滑面できちんと自立します。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。

  • 子豚は丘を越えてどこまでも / Antique Cold Painted Vienna Bronze
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子豚は丘を越えてどこまでも / Antique Cold Painted Vienna Bronze "Pigling Bland"

324-237

48,000円(内税)

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11月3日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

**ご来場有難うございました**


11月9日(土)
Marunouchi Antique Market
丸の内仲通り
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大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム

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11月16-17日(土日)
谷中骨董市

**ご来場有難うございました**


12月1日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


12月7-8日(土日)
谷中骨董市
延命院(前庭・駐車場)
東京都荒川区西日暮里3-10-1
10-16時
(7日は当店は15時まで)
天候により中止あり
(出店確定)


12月15日(日)
大江戸骨董市
有楽町東京国際フォーラム
9-16時
当店は14時撤収開始
天候により中止あり
(出店予定)


【ご注意】
大江戸骨董市は終了時刻が16時ですが、当店は手持出店のため、終了時刻には全て片付けている状態の完全撤収が求められています。当店は細かい物が多く時間がかかるため、2時間前には撤収を開始いたしますので、どうかご了承ください。大江戸骨董市はお早めのご来場をおすすめいたします。